FIREを目指したボッチなオッサンから 賃金体系の変革期を生きる、若い人たちへのエール

FIREについて

ボッチなオッサンがFIREを目指してこれたのは、二つの恵まれた環境があったからだと思っています。
その二つとは、年功序列型の賃金体系と終身雇用制度です。
現在、その二つが崩れようとしています。

FIREの源泉

オッサンは、それなりに節約と蓄財に励んできたという自負はあります。
それでもFIREを目指す事が出来たのは、安定した収入源があったからこそです。

しかし、現在(実際にはもうかなり前からかも知れません)、サラリーマンの賃金は大きな変化の時期を迎えています。
つまり年功序列型の賃金体系と終身雇用制度の崩壊です。

国もそれを求めている?

年功序列型の賃金体系と終身雇用制度の崩壊などと、センセーショナルな言葉を使いましたが、変革期を迎えているのは間違いないと思いますし、直接的ではないですが、国もそれを求めているように感じています。

国が求めている何て根拠があるのかよ?と言われそうですが、私がそう思う理由をこれから話して行きたいと思います。

少子高齢化社会への対応

根拠の一つとして、少子高齢化社会への対応が上げられます。
今後、若い働き手が減少し高齢者が増えてくると、現在の国の施策の多くが機能不全に陥ります。
良く言われているのが社会保障制度と年金制度ですが、そもそも国に税金を納めるサラリーマンの数が減少すれば、財政そのものへも影響も大きい訳ですから、国としては何とか働き手を確保しなければいけないのです。

社会保障も年金も、税収があっての話ですしね

働き方改革

現在58歳から60歳くらいを定年とする企業が多いと思いますが、平成25年施行の「高年齢者等の雇用の安定に関する法律の一部改定」によって、企業に65歳まで働く機会を設ける事を求めました。

とは言うものの、素直に65歳まで定年を延長出来る企業がそんなに多い訳ではなく、定年後の再雇用制度を設けた企業も多かったのではないでしょうか?

しかし、昨年の再改定によって、雇用機会の延長は65歳から70歳まで延びました

「俺達はいつまで働けば良いんだよ!」という心の叫びが聞こえて来そうですね

現在はあくまでも努力義務ですが、それでも多くの企業が雇用延長の期間を70歳まで伸ばす事になると思います。

年金制度改革

現在年金受給は以前の60歳から65歳に延期されました。
年金は逃げ水なんて言われたりもしてますよね?

そんな年金制度が今年(令和3年)4月に変わりました。
どう変わったかというと年金の繰り下げ受給の年が、最大70歳から75歳へと引き上げられました。

簡単に言うと年金の受取を先延ばしすれば、その分だけ貰える年金の額が増えますという事なんですが、その期間が5年から10年に拡がったという事になります。

これは私見ですが、高齢者雇用の改定と合わせて考えると、近い将来年金の受給開始年齢は70歳になるのでは?と考えています。

実際に厚生労働省の資料などを見ても、年金の支給開始を75歳にするシミュレーションを行っている資料もありました。

(興味のある方は厚労省のホームページにありますので見て下さい)

企業は70歳までの雇用に耐えられるのか?

会社のサラリーマンの年齢構成は、日本の人工ピラミッドの縮小版になっていないでしょうか?

もし会社が70歳まで雇用する事を求められた時に、年齢構成がどうなるのか?
60歳以上の割合が増えて、20代の若い世代が減る事は容易に想像がつきます。

そして、現行の賃金制度では増え続けるベテランほど賃金が高くなっています。
いくら雇用延長では現役世代よりも少ない賃金で働いてもらうとしても、やはり限界があると思うのです。

ではどうするのか?やはり年功序列型の賃金体形と終身雇用制度を見直さなければ、会社自身が生き残りを図れないという事になりませんか?

つまり、ベテランと若手の賃金を平準化し、終身雇用制度も見直して、働く期間を会社と社員間の契約で決める。
そうする事で、会社は人件費の総枠を維持して事業を継続しようという事ですね。

おそらく多くの会社がBCP(事業継続計画)を持っていると思いますが、その中には人件費をどうするのか?という項目が必ず入っている筈です。

年功序列が崩れにくい分野がある?

私が現在働いている医療機関などは、その代表例と言われています。
何故かといえば、年功序列型の賃金体系を崩すにはその替わりとなる賃金体系が必要になりますが、その代表が成果主義型の賃金体形です。
その人の働き(功績)に応じた給与を支払う、年齢は関係なく、どれだけ企業に貢献したかで評価され賃金が決まる訳です。

この制度では、当然評価基準が設けられますが、医療機関では個人を評価する基準設定が難しいのは確かだと思います。

医療機関は医師をはじめとした多くの専門職(技術者)の集団であり、それらがチームとして各々の役割を課せられます。

与えられた役割を着実にこなす事の方が優先度が高いので、個人が突出した能力を発揮する機会が少ないのです(下手をするとスタンドプレーになりかねません)

ではミスの多さなどが評価基準になるのかというと、それも難しい面があります。
医療では、重大なミスはもちろん医療事故となりますが、軽微なミス、あるいはミス直前の行為はインシデントとして報告され、リスクマネジメントの観点からは、このインシデントを報告した人の責任は基本的には問わない事になっています。

なぜなら、重大な医療事故を防ぐためには、多くのインシデントを集める必要があります(ハインリッヒの法則と言います)

インシデントを報告した者にペナルティが課せられると、どうしても報告が減少するリスクが出てくるのですが、そうすると医療の安心安全が担保出来なくなってしまう危険性があるのです。

医療系では年功序列が続く?

とは言っても、医療機関でも人件費が最大支出である事は間違いありませんので、今後も年功序列型の賃金体形が維持出来るとは思いません。

どのように個人を評価して賃金を決定するか、私は病院経営に携わっている訳ではないので判りませんが、おそらく部署の責任者(中間管理職)が勤務評定のような物をつくり、それを元に経営者が賃金を決定するようになるのではないでしょうか?
つまり中間管理職の裁量による部分が多くなってくるのでは?と思います。

なんだよ上司の気分次第で俺の給料が決まるなんて理不尽だ!という声が聞こえて来そうですが……

中間管理職も自分の報告が職員の賃金を左右するとなれば、相当なプレッシャーがかかるので、むしろ気の毒な立場に立たされる、一番の貧乏くじと言えるのではないでしょうか?心を病む人が増えそうで怖いです。

ともかく医療機関でも遅かれ早かれ年功序列型の賃金体系は維持出来なくなると私は考えています。

退職金も当てに出来なくなる?

実は退職金も年功序列型の賃金体系や終身雇用を元にして作られています。
就業規則を見てもらうと、退職金には主に定年・自己都合・会社都合の3本柱になっていませんか?
そして退職金の金額も、勤続年数が大きいほど多くなる会社が多いと思います。

更に退職金計算の元になるのは多くの場合基本給だと思います。
各種手当(役職手当)などが算定基礎に含まれる企業もあるかも知れませんが、基本給がベースとなっている事は間違いないと思います。

つまり、賃金体系や雇用制度が変われば、退職金制度も見直す必要が出てくるのです。
それも、サラリーマンにとってはあまり嬉しくない方向で。

仮に賃金が年俸制になった場合には、退職金が無くなる可能性も否定できません。
毎年、その年の業績を元に賃金が決まるとしたら、なにを基準に退職金を算定するのか? 或いは慰労金のような形で退職金のような物は残るかも知れませんが、現在のそれとは似て非なるものになると思います。

今までのように、老後の生活に退職金を当てに出来なくなる訳ですね。

サラリーマンには厳しい時代

長く働いても賃金が上がらない、むしろ年を取って、若い頃のように身体が動けなくなったら給料が下がってしまう。
定年まで働ける保障もない、それどころか定年という考え自体がなくなってしまう。

退職金も当てに出来ない、年金受給の年齢はどんどん引き上げられていく、年金額もマクロ経済スライドなどで、幾ら貰えるのか定かでない。
何だかサラリーマンにとって暗い話ばかりですよね。

でも、こうしたリスクがあるのだという言う事は、絶対に頭に入れておいた方が良いと思うのです。

今まで、年功序列や終身雇用の恩恵を散々受けて来たお前が言うのか!と言われると耳が痛いです。

でも現在の状況を考えると、どうしてもそう考えざるを得ないのです。

これからを生きる人へのエール

才覚のある人ならば、こうした社会の変化の中で、より高収入な職業を渡り、スキルを磨き、更なる高収入を得る事も出来るのかも知れません。

或いは自身の才覚で起業し、賃金を貰う立場から自身で収入を生み出す道を進む人もいるかも知れません。

でも、多くの人は私と同じように、自身で能動的に動くのが難しいのではないでしょうか?
それならば、自分の生活を見直し、少しづつでもお金を貯め、来るべき危機から身を守る、弱者の防衛力を持ちませんか?

節約生活を嫌う人もいますし、家計簿を付けるのを面倒臭がる人もいます。
けれど、これからはそれらが必須の生き残り策になると思っています。

働けるうちに蓄財し、来るべき将来に備える。
収入の範囲で生活できる、そしてそんな生活を楽しめる生活スタイルを作る。
それこそが弱者の防衛力になると思うのです。

日本人はマネーリテラシーが低いなどと言われています。
でも、今からでも学ぶ事は出来ます。
その為に参考になる書籍も多数出版されています。

「金持ち父さん貧乏父さん」とか「バビロンの大富豪」とかが有名ですよね。

弱者には弱者の闘い方があります。
激動の時代を生き延びる方法も必ずある筈です。
これからの時代を生きる若い人たちに、ボッチなオッサンはエールを送りたいと思うのです。

すみません、家計簿を付けるのが面倒臭いという人への宣伝です。
ファイナンシャルプランナーが作った家計簿という物もありますので、興味のある方は見て下さいな(^^;

コメント

タイトルとURLをコピーしました