FIRE後の医療保険、任意継続するか? 国民健康保険に加入するか?

FIREについて

仕事を退職した後、医療保険を会社の健康保険を任意継続するのか、国民健康保険に加入するのかを選択しなければなりません。
どちらが選べば良いのか、どちらの方がお得なのか少し考えてみました。

高額な保険料に驚く

定年で辞めるにしろ自己都合で辞めるにしろ、退職後の健康保険の支払い額が、予想以上に高額な事に戸惑う人が多いようです。

会社員の場合、保険料は給料から天引きされるため、あまり保険料を払っているという実感が無いという面もありますが、実際の金額でもサラリーマン時代は会社が半分負担していますので、任意継続になった途端に保険料が2倍になってしまうという事も大きいと思います。

現役時代の収入を元に計算される

任意継続するにしても、国民健康保険に加入するにしても、保険料(税)は前年の収入を元に金額が決まります

自分ではそんなに高給取りでは無いと思っていても、改めて給料明細の保険料を見て、この2倍の額を支払うのかと思うと、かなりビビってしまいます。

すぐに次の会社に転職する場合は別ですが、定年で仕事を辞める場合など、収入が無くなるタイミングでこの出費は結構な痛手ですよね。

国保料を試算してみました

もし自分が国民健康保険(国保)に加入する場合に、幾らになるのか計算してみました。

住んでいる自治体によって計算方法が違うので、具体的には役場で聞いてみて下さい。
役場のホームページで、所得や固定資産などを入力する事で、自動計算できる場合もあります。


国保は医療給付分後期高齢者支援金分介護納付金分の、3つから成り立っていて、各項目ごとに以下の計算をしていきます。

所得割:前年の課税所得額を元に計算します。
資産割:固定資産税額を元に計算します。
均等割:世帯の加入者数(世帯のうち何人が国保に加入するかで計算します)
平等割:1世帯あたりの固定金額です。

それらを全て合計した結果、私の場合は年間の保険料が約54万円でした。
1カ月にすると約4万5千円で、住民税も合わせると1カ月で8万円近い金額になります

つまり、現在の1か月の生活費が8万円前後ですので、1カ月の支出が2倍になってしまうという、恐ろしい結果になりました。

任意継続した場合の保険料は?

ちなみに、私の場合は任意継続にした場合の保険料は、月に約5万円強ですので、国保よりも若干高額になりますが、これは私がボッチで家族がいないという事も関係しています。
もし家族がいた場合、国保では家族の人数分の保険料がかかるので、更に高額になります。

私の知人の例では、住民税も合わせて1カ月の負担額が10万円ほどになったそうです(ちなみに国保に関しては限度額が適用されたという事でした)

その点、任意継続の場合は、現役時の収入や家族構成によっては国保よりも安くなる場合もありますので、退職した場合の保険料が幾らのなるのか、予め調べておくと良いかもしれません。

国保か任意継続か?

これは一概にはどちらが良いとも言えません。一長一短あると言うのが正直なところですね。

例えば、任意継続した場合には、医療だけでなく健康診断なども、それまで会社に勤務していた時と同等のサービスが受けられます。
また健保組合で保養施設などを持っていた場合には、それらの利用も現役時代と同様に出来ます。

私の場合は、保養施設を利用した事が無いので、あまりメリットを感じませんが…

健康診断に関しては、一般的な健診の内容は健保組合の方が充実している印象ですが、人間ドックなどに関しては自治体毎に様々な補助制度が取られているので、国保の方が有利な印象があります。

私の住んでいる自治体の場合、補助制度を利用すれば人間ドックが最安で2000円で受けられるという、制度上の「バグ」があります。
通常だと4万円程かかるので、あり得ない金額ですよね

それと、任意継続はずっと継続していられる訳ではなく、だいたい2年で国保などに変更しなければなりません。

結局どちらが良いの?

家族構成や現役時代の収入によりますが、現役時代の収入が高い場合には国保の方が有利家族が多い場合には任意継続の方が有利のように思います。

昔は医療費の自己負担が、健保組合が1割で国保が3割なんて時代もありましたが、現在ではどちらも3割りなので変わりませんし、やはり保険料などを計算してみて有利な方を選択するというのが、良いかも知れません。

ただ、私の住んでいる自治体の場合、人間ドック料金のバグがありますので、それだけでも国保を選択する理由になります(私の場合は保険料も国保の方が安くなります)

ちなみに高額療養費制度は、どちらの保険にもあり、条件面などもほぼ差はありませんでした。

高額な保険料を何と出来ないか?

先ほどから退職したら保険料が高額になると言いましたが、それはあくまでも初年度の場合です。

現役時代の収入を元に計算されてしまうので、高額な請求が来てしまうという事で、次年度からは普通(?)の実収入に合わせた保険料に落ち着きます。

私の場合、だいたい1ケ月1万円程度に収まります

初年度の高額な保険料が何とかなればなぁ……と、誰でも思いますよね?

実は退職後の保険料には減免制度があるのですが、これを知らずに申請しない人も多いそうです。
最大で保険料が7割も減免されますので、利用しないのは勿体ないですよね。

当然、この制度を使うのにも条件があって、まずは退職時の年齢が65歳未満であること、そして「特定受給資格者」あるいは「特定理由離職者」である事が条件です。

特定受給資格者・特定理由離職者とは?

会社が倒産してしまった場合、会社から解雇されてしまった場合(懲戒免職などを除く)は特定受給資格者になります。

特定理由離職者とは、何らかの事情で仕事を続ける事が困難になってしまった場合が該当します。

何らかの事情とは、期間の定めのある仕事をしていて、本人が継続を望んだのに継続してもらえなかった場合(解雇に近いですね)や、本人が病気などで仕事を続けられなくなった場合、家族が介護・看護などが必要になり、仕事を続ける事が出来なくなってしまった場合などが含まれます。

実際にはもっと複雑な要件がありますので、厚生労働省のホームページなどを参照してもらうと良いかと思います。

FIREした場合はどうなるの?

散々、減免制度があるのだから、使わないのは勿体ないとか言っておいて何ですが、FIREする場合は、この制度を利用するのは正直難しいかな?と思っています。

アーリーリタイアというくらいですから、年齢的には65歳未満の場合が多いと思いますので、年齢制限はクリアできると思います。
しかし、それ以外は当てはまらないケースが多いのではないでしょうか?

会社が倒産した事を契機に「この際だからFIREするか」という場合は当てはまりますが、そんなケースは稀なのでは?
大体は自己都合で退職してFIREすると思うのですが、その場合は減免制度は利用出来ません。

そして、そんなタイミングで家族の介護が必要になるという事も少ないと思いますし、実際に親の介護を経験した身からすると、そんな状況になったら、それこそFIREなどと言っていられません。

もちろん、介護が不幸だと言うつもりは無く、介護をしながら豊かな人生を歩める人もいますが、そこに行くまでには、葛藤や困難が待ち受けています。

病気で働けなくなる場合についても、医師の診断が必要になって来ますし、働けないほど健康に問題がある場合、人生も楽しめないのでは?とも思います。

ただし、仕事が原因で精神などを病んでしまった場合は、仕事から解放される事で健康問題が解決する場合もあるのかも知れません。

結局どちらがお勧め?

私は、仕事を辞めたら任意継続ではなく国保に加入しようと思っています。
理由は家族がいないボッチである事と、人間ドックのバグを利用出来そうな事。
保険料が年間10万円近く国保の方が安い事。

初年度の保険料が高いのは仕方が無いと受け入れています。
それもFIREに必要な資金の一部と考えようと思っています。

中には病気にならなければ保険なんて必要ないと、保険料を払わない人もいます。

実際に医療事務をしていた時に「お金の無駄だから保険料なんて払わない」という人が何人もいました。
そんな人が病気になった時には既に手遅れ…なんて事例も山ほど見て来ました。

けれど、人はずっと健康でいられる訳ではないし、日本は先進的な医療が、地方の小さな病院でも受けられます。

せっかく国民皆保険制度があるのですから、この制度を自ら手放すのは、破滅へ向けて全力ダッシュしているように感じています。

そう考えれば、痛いことは痛いですが、初年度の負担は仕方が無いかな?という気もするんですよね~

どうにもならない時のセーフティネットもありますが、それだとFIREした意味が無いので、元気に残りの人生を楽しむ為にも、医療保険には入っておこうとオッサンは思うのです。

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