もし将来、生活に困窮する状態で病気になった場合、私ならどうするか?

ボッチな毎日

現在は60歳でのFIREを目指すとか言っていますが、ひょっとしたら住む家も含めて全てを失う可能性だってあります。
ボッチで高齢期を迎えなければならない私にとって「病気になったらどうしよう?」という事は、とても深刻な問題なのです。
住む場所さえ無くすほど生活に困窮し、そんな状態で病気なったらどうするのか?
私ならば、迷わず病院に駆け込んで「自分はお金を持っていないけど助けて欲しい」と正直に話すと思います。
ただし、駆け込む病院は選ぶ必要があると思うのです。
その条件の一つがMSWの存在です。
MSWは、生活が困窮している人が医療を受けたいと思った時に、強い味方になってくれます。
今回はMSWという仕事について、私に判る範囲で少しだけ紹介したいと思います。

MSWという仕事

皆さんMSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー )という職業をご存じですか?
病院に受診にくる患者さんは、様々な事情を抱えている場合があります。
私が経験した中でも、車中生活の果てに体調を崩されて救急車で運ばれて…なんて事もありました。
そんな時に、どうすれば良いか一緒に考えてくれる、それがMSWという仕事です。


MSWはほとんどが社会福祉士という資格を持って働いていますが、他にもPSW(精神保健福祉士)という資格を持っている人もいます。
とてもとても大変な仕事です。
重要な事なのでもう一度言いますが、とてもとても大変な仕事です。

どんな仕事をしているの?

患者さんが抱えている経済的・社会的問題と正面から向き合って、どのような解決策があるのか模索し、実践していく。
患者さんが、安心して治療を受けられるように、使える社会的資源がないか? 家族からの支援が受けられないか? そんな事を患者さんと一緒に考えているようです。
私は症例検討会などで、その仕事のほんの一端を知る事しか出来ませんが、とても大変な仕事で私ならば不可能だと投げ出してしまうと思います。
それでもMSWは、そんな不可能に真正面から取り組んでいます。

何度も繰り返しますが、本当に大変な仕事です。
よく過労死しないなぁ・・・と思わずにはいられないくらいです。


私から見たら、問題解決の専門職、文字通りプロフェッショナルな存在だと思うのですが、病院によっては普通の事務職の延長という評価だったりします。
もっと高く評価されて然るべきだと思うんだけどなぁ・・・

SDHとは?

現在、医療現場ではSDH(健康の社会的決定要因)という考え方があり、患者さんを治療していく上で、SDH(社会的背景)に問題がある場合には、それを解決していく必要があるという考えが高まっています。
たとえ、現在の症状が緩和したとしても、そういった部分にアプローチしないと、また同じように健康を害する可能性があるそうです。
SDHに関しては、WHOでは健康に関わるソリッドファクツ(根拠のある事実)として、以下の10個の要因を上げています。

1.社会的格差
2.ストレス
3.幼少期
4.社会的排除
5.労働
6.失業
7.社会的資源
8.薬物依存
9.食品
10.交通

各項目の詳しい説明は、WHOからの報告を見てもらいたいのですが、MSWは患者さんの治療上、SDHのいずれか(複数の項目が複雑に関連している場合が多いそうです)に問題があると思われる場合に、患者さんと一緒に問題解決の為に奔走します。

時にはこんな事も

患者の治療に、家族との関係修復が影響するのであれば、MSWは遠方の家族にも働きかけるようです。
でも「もう、あの人とは関わりたくない!」という場合がとても多いそうです。

そりゃそうですよね? 色々問題があって疎遠になった場合も多いだろうし、親族の人にだって自身の生活なり家庭がある訳で、自分の家族を守りたいと思うのは当然です。

そもそも、患者さん本人がそれを望んでいない場合もある。そこを無視して関係修復を無理強いする訳にはいきません。
そうなってくると、もう他人が安易に踏み込んで良い領域ではありませんよね?
それでも「両者の意思を尊重しつつ、より良い着地点がないか模索する」という…何て拷問だよ!っていうくらい困難な仕事ですね。

最終的に、生活保護に結び付けるなどで生活を再建するという事もあるそうですが、中には数十年の断絶を超えて、遠方から親族が最期を看取りに来てくれたなんて症例も聞きました。
時には、人間関係というか、人の持つ「業」のようなものとも対峙しなければならない。
MSWの仕事は、自分には到底務まりません。
と言うか、たとえ仕事でも出来る限り近づきたくない修羅場の数々。
考えただけでも、ゾっとします。

社会的資源の活用も

MSWの業務内容は多岐に渡ります。
患者さんが治療を続けていく為には、家族との関係だけでなく、社会的資源の活用も考慮しているようです。
例えば生活保護を申請するというのも一つの方法です。
しかし、生活保護を申請すると言っても、そもそも各地を転々としていて、特定の場所に住んでいないケースもありますが、それだと生活保護を申請しても難しいかなと思います。
まず住むところを確保しないといけない訳ですが、例えばアパートなどの賃貸住宅などは、保証人もいない住民票も存在しないなどの場合は、まず借りられませんよね?

そうすると次は住民票を発行して貰わないと……でも住民票を発行して貰う為には……
もう次から次へと、際限なく問題が出てきます。
これだけでも途方もなく困難な仕事だと思いますが、実際には更に壮絶な業務を行っているのだと思います。私などには想像すら出来ないような。

私が駆け込む病院

冒頭で、もし私が将来生活に困窮した状態で病気になったらどうするのか?
とある条件を満たした病院に駆け込むと思いますと書きました。
その条件の一つとして、MSWの存在を上げました。

でも、そもそも自分が受診しようと思った病院に、MSWが居るかどうかも普通ならば判らないじゃないですか?
どうすれば、MSWが活躍している病院を見つけられるのか?
スマホでも何でもネットを使う手段が残っているのであれば、自治体名と無料低額診療事業で検索して、事前に調べておくのが良いと思います。
ネットを使う事も出来なければ、自治体の役場へ行けば教えてくれます。
無料低額診療事業は、MSWが中心になっている場合が多いようなので、そんな病院ではMSWが活躍していると考えて良さそうです。
そして、教えてもらった病院へ行き、自分の置かれた状況を説明した上で受診します。
無料低額診療事業とは何か? については、また別の記事で紹介したいと思います。
とにかく、私のような孤独な生活を送る者にとって病気は恐ろしいです。
健康でいられれば一番ですが、どれほど気を付けても病気に罹る時はあります。
なので、ありきたりではありますが、やはり早めの受診が大切だと思っています。
それでも、MSWの大変さを(表面上だけですが)知っていますので、出来ればMSWの手間を取らせないように、生活設計をしっかりしたいなと思っています。
とはいえ「自分の将来は絶対に安泰だ!」とも言えないので、万が一の事も考えておこうと思うのです。
それにしてもMSW、本当にスゴイ仕事です。
私は常々、MSWという仕事に携わっている人を尊敬しています。
そしてMSWが生き生きと働けている事、それが良い病院の条件ではないかとさえ考えています。

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