親の金でFIRE? オッサンは、結局はニートなだけかも知れない。

FIREについて

以前からオッサンは、自分の力だけではFIREの為の資産など、到底築けなかったと書いてきました。
では、具体的にどの程度助けてもらったのかと考えていたところ、自分の行動や考え方が、ニートのそれに良く似ている事に気づいてしまいました。

親の金でFIRE?

地道にFIREを目指して、節約や資産運用をしている人には申し訳ないのですが、オッサンの資産のうち、かなり大きな金額が亡くなった両親からの遺産だったりします。
つまり、親の金でFIREを目指していると言っても過言ではないかも知れません。

父の収入が不安定で、母子家庭に近いような生活をしていたのに、何故そんなお金があったのか?
それは私が働き始めてから、ずっと家に入れていたお金を、生活費などに使わず、全て貯金してくれていたからなんです。

父が無くなるまでの約20年間(全くお金を入れられなかった時期もありました)に及ぶ貯金の総額は、とんでもない金額になっていました。

そう考えると、親のお金でFIREしたと言われても仕方ないと感じています。

両親の心配

私は、本当にフラフラとした人生を送っていました。
住宅ローンを払っているのに、家を出てアパートで同棲生活をしてみたり、その挙句に2回も結婚生活が破綻したり……

そんな我儘な生活を許してくれた両親への後ろめたさから、給料から少額ですが実家へ仕送り(?)をしていました。

金額的には、本当に雀の泪ほどでしたけれど。

更に、離婚後は実家へ戻ってきた事で、さすがに食費くらいは家に入れなきゃマズイだろうと、やはり給料から一定額を家に入れていました。

父の死後、そうして家に入れていたお金を、両親は生活費としては一切使わずに貯金してくれていたのを知ったのです。

両親だって、決して収入は多く無かったので、かなり家計的には苦しかったと思うのですが…
それだけ、フラフラした人生を歩む私の事を、両親がとても心配してくれていたのだろうと思います。

オッサンはニート?

新卒で病院に就職して以来、放射線技師として40年近く働いてきました。
これだけを見ると、オッサンはニートでは無いように見えるかも知れません。

ですが、自身の生活を振り返ってみると、社会人として真っ当に生きてきたのか?と疑問に思う事が多くあります。

離婚後は実家に戻ってきた私ですが、仕事から帰ってくると部屋に引きこもり、食事の時くらいしか親と顔を合わせませんでしたし、料理・洗濯を始めとした家事、庭の手入れや補修などの家屋の管理、ご近所との付き合い、そういった一切合切を、両親に頼りきり自分は何もして来ませんでした。

その生活ぶりは、よくニュースなどで見た、引きこもりの姿そのものでした。

ちゃんと働いているんだし、家にお金も入れている、だから自分はニートなんかじゃない!と思っていましたが、生活の全てを親に依存して暮らしているのは、実質的にはニートと言っても良いと思います。

父の死後に驚愕する

父が亡くなった後、私がそれまで家に入れていたお金が、そっくり貯金されていた事を知りました。
おそらく、いつまで経っても独り立ちしない私の将来を心配しての事だと思います。

結構な金額が貯まっていて、その金額が親の心配の大きさに思えて、申し訳ない気持ちで一杯になりました。

とてもそのお金を相続する気にはなれず、かなり認知機能が怪しくなってきた母の介護に必要になると考え、遺産放棄の手続きを取って全て母の口座に移しました。
しかし、その母も亡くなり、父の遺産は結局私の手元に戻ってくる結果になりましたが…

父が亡くなり、母が認知症から介護が必要になると、それまで両親がしてくれていた、家事全般からご近所との付き合いまで、私がしなければいけなくなった訳ですが、家を維持すると言うのが、こんなに大変だったのか?と驚愕しました。

両親に守られての資産形成

私が資産形成出来たのは、やはり両親の協力があったからだと思っています。

家に生活費さえ入れれば文句は無いだろうと、食事も洗濯なども全て両親に面倒を見てもらっていました。

酒もタバコもギャンブルもしない、友人と遊びに行く事もしなければ、ネットゲームなどもせず、本当に家でゴロゴロと本を読んでいるだけの生活…そりゃお金も貯まります。

挙句に、生活費を家に入れていたつもりが、その全てを貯金してもらっていた訳ですから、資産形成などと言っても、実態としては親に寄生する事でお金を貯めてきたと言っても過言ではありません。

母の介護が必要なって

父が亡くなり、母の介護が必要になると、私の生活は一変しました。
食事や洗濯などの家事から、ご近所と付き合いまで自分でする必要が出てきたのです。

そして、自分が何も出来ないことを思い知りましたし、両親はこんなに大変な事をしていたのか!と、改めて自分がどれほどの負担を両親に強いて来たのかと実感しました。
本当にバカ息子で恥ずかしい限りです。

認知症が進む母の介護についても、おそらく多くの方が同じ経験をしていると思うので詳しくは書きません。

ただ、夜勤のある仕事と、せん妄や徘徊などが始まってしまった母の介護の両立は、とても難しかったです。

暴れる母を車に押し込めて、深夜のオンコール業務に連れて行ったのは、ほとんど虐待に近い対応だったかと思います。

けれど、せん妄や徘徊も始まっていた母を、夜中に一人にするのはとても危険だったし、母自身も私が夜中に仕事に行こうとすると「私を捨てるのか!」と泣き叫び、暴れまわりましたので、連れていくしか無かったんです。

いっそ無理心中した方が楽かも……と、母の首に手をかけようとした事さえありました。

その母も昨年に他界して、とうとう本当のボッチになってしまいました。

親のお陰でFIRE?

私がお金を貯められたのは、実家で親に寄生した生活をしていたからですし、家に入れていた生活費も、すべて両親が貯金してくれていたので、遺産という形で私の手元に残りました。

こんな状態で「私はFIREの為の資産形成に成功した!」なんて言えるでしょうか?

父が亡くなり、母の介護が必要になるまで、私は職場から帰宅すると、すぐに部屋に引き籠っていましたし、他人との交流もほとんどありませんでした。

仕事をしていたと言っても、結局生活の全てを親に面倒を見て貰っていたので、実質的にはニートのような生活だと言われても、返す言葉もありません。
何しろ生活費さえ親が出してくれていたような訳ですから。

YOUTUBEなどで、中年ニートの末路とかの動画を目にする事があります。
その言動や考え方は、まさに私そのもので目を背けたくなるほどです。

FIREにしても登校拒否と一緒で、職場から逃げ出したいという、後ろ向きの選択と言われても仕方ありません。

FIREの為の資産形成が云々なんて、私に言う資格は無いのでしょう。
私の本質はニートそのものなのですから。

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