お金が無くて病院を受診出来ない!そんな時の最後の砦「無料低額診療事業」

ボッチな毎日

FIREを目指していると言っても、いつ全ての財産を失うか分かりません。
もしも全財産を失った状況で病気になったら…という事は常に考えています。
このままでは本当に死んでしまうという時の最後の砦。
その最後の砦として、私は無料低額診療事業の利用を考えています。
今日は、そんな無料低額診療事業について少し紹介したいと思います。

無料低額診療事業とは?

無料低額診療事業とは、国保を始めとした各種医療保険に加入していない、或いは加入していたとしても、医療費の窓口負担が払えないといった生活が困窮している人の為に、無料又は低額で診療を行うという制度です。

制度と言っても自治体などが行う公的なものではなく、病院が窓口負担を肩代わりする形で行っている、どちらかと言うと慈善事業に近いものです。

ネットで無料低額診療事業を行っている病院を検索すると、済生会病院の名前が良く出てきますが、済生会病院が無料定額診療事業を行っているのは「生活苦で医療を受けることが出来ずに困っている人たちを施薬救療(無償で治療すること)によって救う」という「済生勅語」が設立の端緒になっているからかも知れません。

国民皆保険制度の始まり

日本は基本的に国民皆保険制度を採っている国です。
世界でも有数の高度な医療を、誰もが享受出来る優れた制度だと思います。

では、いつ国民皆保険制度が出来たのかというと、全国民を対象とした国民健康保険法(以下国保法)が1958年に成立したのが、事実上の日本の国民皆保険制度の始まりと言って良さそうです。(施行されたのは1959年です)
まだ制度が出来て60年ほどしか経っていません、割と最近だと思いませんか?

国民健康保険制度が成立する前、1950年代の中頃は、約2900万人が医療保険の適用を受けておらず、医療を受ける事が困難な状況があったと聞きます。
このような時代背景の中で、国保法がスタートしました。

国保法は、第1条に「社会保障及び国民健康保健の向上に寄与することを目的とする」と明記されています。
つまり国保法は、憲法25条に基づいて成立したと言って良いと思います。

日本国憲法第25条
第1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上 及び増進に努めなければならない。

国保に加入しているけど医療費が高くて・・・

国保は国民なら誰でも加入出来る医療保険であり、国民皆保険制度の中核となっていますが、加入者の中には生計が厳しく、病院の窓口負担(医療費)が払えない世帯もあります。
そんな世帯の為に、国保法には保険料(税)の減免に関する条項があります。

法律の施行当時は、減免対象は「(生活保護との)ボーダーライン層の人たち、あるいは災害などの関係で同じような状態に陥った場合(1958年の衆議院社会労働委員会での審議より)」とされていました。

しかし、2009年の厚労省「生活に困窮する国民の健康保険の被保険者に対する対応」という通知によって、減免対象の基準が変わりました。

たとえば生活困窮者の定義に関して、「(生活保護基準の)ボーダーライン層の人たち」から、「生活保護基準以下の人たち」となり、適用要件が厳しくなってきています。

私自身も、退職したら国保に加入することになりますが、生活が破綻した場合でも減免措置を受けられない可能性が高いと思います。

無料低額診療事業の全国的な拡がり

ワーキングプアという言葉が流行語大賞候補になったり、年越し派遣村がニュースで取り上げられたりと、生活に困窮する人が増えていく中で、無料低額診療事業を行う病院が全国各地で生まれてきました。


先ほども書きましたが、無料低額診療事業では本来患者さんが払う筈の窓口負担(医療費)を病院が負担する為に、病院の収入は減ってしまいます。

診療報酬自体は支払われるので、病院が完全に無収入になってしまう訳ではありませんが、本来入ってくる収入の7割しか入ってこない場合もあるという事は、病院経営には大きな打撃です。
つまり病院にとってもリスクのある事業と言えますね。

ですから、無料低額診療事業を行っている病院が全国にあると言っても、まだ少数の病院に留まっているのが現状です。

しかし、無料低額診療事業の利用者は、保険に加入していない人に留まらず、国保などに加入していても、金銭的な余裕がなくて病院の窓口負担が支払えない人たちにも広がっています。

受診の遅れは生命の危機

定年などで仕事から離れると、職場で加入していた健康保険は失効します(任意継続という方法もありますが期限があります)
その場合、職場の健康保険から国保への転入手続きが必要となります。

日本は国民皆保険制度を採っていると言っても、自動的に職場の保険が失効したら国保へ切り替わる訳ではなく、自分で手続きを行わなければ無保険の状態になってしまいます

更に、以前にも記事にしたように、国保へ加入したとしても保険料が払えなければ「短期保険証」或いは「資格証明書」が発行され「資格証明書」が発行された場合、一旦は病院の窓口負担を全額自費で払う必要があります。

そもそも保険料も払えないのに、医療費を全額自己負担で支払うのは厳しいですよね?(保険料を払った方が、はるかに安いと思います)

そうして、受診が遅れて更に体調が悪化し、体調が悪化した為に仕事が出来なくなり、という悪循環に陥るケースも少なくないそうです

無料低額診療事業の利用について

無料低額診療事業を利用する際には、病院でかなりプライベートな話を聞かれる場合があります。
現在何の仕事をしているのか?、収入はどのくらいか? そう言った話を聞かれるのは抵抗があるかも知れませんが、MSWなどの相談員と良く話し合う事が大切かと思います。

MSWは医療相談に関するプロフェッショナルです。きっと安心して医療を受けられる道を、一緒に探してくれと思います。

もちろん、病院にも負担を掛ける訳ですし、MSWだってとても忙しい仕事です。
そんな状況では、全てをMSWに任せてしまうのではなく、自身でも考え行動する必要はありますが、一緒に問題解決に向けて考えてくれる味方がいると言うのは、天と地ほどの違いがあるのではないでしょうか?

もし私が全てを失った状態で病気になってしまったら、その時は腹を割って話し合い、まずは治療を受けて健康を取り戻し、人生のリスタートを切ろうと思います。

もし治らない病気や、既に手遅れだったら……その時は残り時間をどうすれば穏やかに過ごせるかに思考を切り替える必要がある訳ですが、きっと難しいだろうなぁ……今から健康の為に出来る事はしておきたいですね。

皆さんどうでしょう? 生活が破綻した時に病気になったらどうしますか?
苦しさをじっと我慢して耐えますか? これが自分の運命と受け入れますか?

私は、病院に負担を掛けると分かっていても、無料低額診療事業を利用して、生き足掻きたいです。

皆さんも、もし万が一の時の事を考えるのならば、まずは自分の住んでいる地名と無料低額診療事業で検索して見て下さい

きっと自身が住んでいる近くにも、該当する病院があると思いますよ(^^)

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