8月29日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言で、大きく株価が下落しました。
今後も下落基調は続くのか、素人なりに少し考えてみました。
ジャクソンホール諧謔曲
8月29日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言を受けてか、米国株式市場は大きく値を下げました。
NASDAQ等はその後も下落基調が続いており、今後の株式相場の動向が気になっている人も多いのではないかと思います。
投資関連のインフルエンサーからも、今後も株価の下落は続くとか、現在はまだ暴落の始まりに過ぎないとか、かなり衝撃的な発言も多く聞かれます。
特に、インフレが続いている間は利上げを継続すると、1970年代にインフレ対策で辣腕を奮ったボルカー氏の政策まで引き合いに出して強調した発言に、インフレへの危機感がより強くなった事で、今後の経済動向への不安を強くしている人も多いと思います。
ただ、私の結論を先に言ってしまえば、我々インデックス投資をしている個人投資家は、持っている株を手放さない「鬼ホールド」と、今まで積み立て投資をして来た人は10年20年先を見据えて、現在の積み立てを継続するという方針のままで良いと思うのですが・・・
それに、投資は自己責任で行う物ですので、自身のリスク許容度と向き合って、自分なりの方法を確立する事が大切だという事も変わりません。
インフレは止まるのか?
日本の投資関連のインフルエンサーの発言を聞いていると、マイケル・バリー氏などの著名人の言葉や統計学的なテクニカル分析、或いはPCEなどの経済指標によるファンダメンタルズ分析で、今後も株価の下落基調は続くとしている人が多い印象があります。
そして、パウエル議長の擁護ではないですが、インフレに対しては中途半端な対応は逆効果なので、利上げ止む無しという声にも「まあ、その通りかなぁ」とも思います。
けれど、本当に利上げを継続する事でインフレは止まるのでしょうか?
利上げによって経済は低迷する、けれどインフレを抑制する事は出来ずにスタグフレーションに陥る可能性もあるという意見もチラホラ目にします。
というか、私自身もスタグフレーションの可能性について記事にした事があり、その可能性はあるのではないかと、素人ながらに危惧しています。
インフレの原因(素人考察)
インフレには複数の原因が複雑に絡んでいるのだと思います。
当然素人なので、正確な分析などは到底出来ないんですけどね(^^;
原因の中には大幅な金融緩和政策により、実態経済とかけ離れてお金がジャブジャブと市場に溢れたという面もあるかも知れません。
金融緩和とは少々違うかも知れませんが、政府によるコロナ対策の財政出動は常軌を逸しているようにも思える規模でしたし、実際に金余りという側面はあるのでしょう。
他にも、原油価格の高騰がエネルギー関連コストを上昇させたとか、ガソリン価格の高騰により物流コストが上昇したとか、様々な分野のコストが軒並み上がっている事も想像に難くありません。
また、日本などは典型ですが、コロナによって人の流れが減る事で個人消費が落ち込み、需要と供給のバランスも崩れましたよね。
国際的な物流にも不具合が生じ、半導体などの流通も打撃を受け原価が高騰したし、そうした要因を数え上げればきりが無いと思います。
利上げで解決する?
米国内に実体経済とかけ離れた資金が流入し、相対的にお金の価値が下がっている事は確かだと思いますし、そういった部分については今回のパウエル議長のタカ派(金融引き締め)発言(政策)は効果があるのかも知れません。
副作用として企業は資金調達が難しくなり、景気が悪化するであろう事は想像に難くありませんが。
それでも、インフレに対して一定の効果がある事は期待出来る事は間違いないと思います。
けれど、それだけでインフレが収まるのか?というと疑問を感じずにはいられません。
金利引き上げで解決できるのは、あくまで経済活動におけるお金の動きが中心じゃないのかな?
原油価格の高騰やコロナによる個人消費の落ち込みなどまでは、政策金利だけで解決出来る問題ではないように思うからです。
原油価格の高騰
ドイツを始め欧州では、原油や天然ガスの歴史的な高騰が続いており、その主な要因はロシアとウクライナの戦争にあると言われています。
確かに、世界的な原油価格の高騰はロシアの戦争を始めとした国際情勢の不安定化も要因の一つである事は間違いないと思います。
ただ、それだけなのか?というと、個人的には疑問だったりします。
世界は温暖化対策として、Co2削減の方向へ向かっています。
日本でも自動車はガソリンからEVの方へ舵を切っていますし、世界的に見れば電力に関しても、少しづつ化石燃料から再生可能エネルギーへ移行しつつあります。
原油や天然ガスなど化石燃料が、まだまだ必要とされている事は間違い無いですが、それでもOPECに加盟している各産油国は、UAEのドバイに見られるように自国の産業構造の変革期に入っているのではないかと思います。
現在の原油価格の高騰が、産油国が脱炭素への対抗策として売り渋っているとまでは思いませんが、仮にロシアとウクライナが停戦状態になったとして、それだけで原油価格の高騰が止まるとも思えないんですよね~
コロナ対策?
インフレを引き起こしているもう一つの要因であるコロナの世界的な流行ですが、未だ収束の糸口は見えていないように思います。
コロナ慣れして、人々の注意が疎かになっているとか、ワクチン接種が思うように進んでいないとか言われていますが、人間それほど長期間に渡って非常事態の心理を保っていられるものでしょうか?
まあ、発症しているにも関わらず飲み歩いたりという非常識な人は例外として、自粛自粛だけでは生活が息詰まるし、経済だって回っていかないと思うんです。
ワクチンだって次々と変異するウイルスに対応仕切れるものとは到底思えません。
従来からあるインフルエンザワクチンだって、有効性は6割程度(重症化リスクはもっと抑えられるらしいですが)とも言われます。
ワクチンに関しては、敢えて露悪的に表現すれば3回打とうが4回打とうが、罹る時は罹る物だと割り切って考えています。
決してワクチンの有効性を否定する訳ではありませんが、私はインフルエンザの予防接種を毎年受けているにも関わらず、毎年のようにインフルエンザに罹っていましたから。
コロナ感染に関しては、人が動かなければ経済は回らないし、半導体に限らず、既に世界は産業構造が地球規模の分業体制となっている訳ですから、コロナの影響で国際的な流通に不具合が生じれば、そりゃあ物価だって上がりますよね。
コロナ対策:その2?
個人的には、最終的にコロナは風邪のようなコモンディジーズ(ありふれた疾病)になると思っています(コロナウイルス自体は、昔から風邪の原因ウイルスの一種でしたしね)
ですが、その為にはワクチンだけでなくインフルエンザに対するタミフルやリレンザのような特効的な効果を持つ抗ウイルス剤の普及が必要不可欠だと考えています。
私は医師でも医学者でもありませんが、私と同じように考えている人は多いのではないでしょうか?
ワクチンを打っても、一定数は罹患してしまうし他人に感染させてしまう事もある。
けれど発症しても対応出来る薬があるのなら、現在ほど大騒ぎする事も無くなるのではないかと思うのです。(現在のように、流行時に学級閉鎖が行われるなんて事は今後も続くと思いますが…)
そうした状況になれば、人類はコロナを克服したと言えるのではないかと考えています。
現在、結構な製薬会社から飲み薬から点滴で投与する物まで、色々なコロナ治療薬が認証され始めていますよね。
それらの薬が普通に近所の病院でも使われて、その効果が広く認知されるまでは、まだしばらく時間がかかるのではないかと思います。
そして、人類がコロナを克服するまで、インフレの根は世界経済の中にしつこく留まり続けるのではないかと思うんです。
結局どうするの?
何度も言うようですが、私は投資や経済に関しても医療に関しても素人です。
ですが、素人なりに考えるとインフレが落ち着くには、まだ数年の時を要するのではないかと考えています。
同様に、株式相場に関しても当面は上下動を繰り返しながらの下落が続く、或いは数年単位でのレンジ相場が続くのではないかと。
もしかすると現在が底で、これからV字回復するのかも知れませんが(11月の中間選挙で共和党が勝てば一時的に株価が上昇すると思いますし)それでもここ数年のような指数関数的に株価が伸びていくとは思えないんです。
私も資産の半分近くをS&P500などに投資していますので、V字回復してくれれば勿論嬉しいですけどね。
仮に今後何年も下落或いはレンジ相場が続いて株式市場が低迷した場合どうするのか?
株に手を出さない? もしくは現在保有している株を手放す?
それに関しては、一環して主張しているように「鬼ホールド」で持ち続けたいと思います。
入金力があるのであれば、働いていた時と同様に定期積立を継続すると思います。
私は現在の状況を「絶望的な状況」とも「絶好の買い場」とも思えませんので、今までして来た事を淡々と続けるだけですね。
これから更に下落して回復するのに数年かかるのか、或いは現在が底の状態で今後V字回復していくのか。
何度も書いてきましたが、どう判断し行動するのか、最終的にはやはり「投資は自己責任」という言葉に尽きるのだと思います。
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