FIREへの批判について考えてみると、 オッサンのFIREは、弱者のFIREのようです。

FIREについて

先日FIREについて、今を楽しまずに節約節約って金を貯めて、そんな生活が楽しいの?
仕事を辞めなくても、人生楽しめる方法なんて幾らでもあるんじゃないの?
そんな記事を読みました。
その記事について、オッサンなりの考えを書きたいと思います。

価値観は人それぞれ

当たり前の話ですけど価値観は人それぞれ、何を楽しいと感じるか人によって違ってきます。

節約生活なんて、大切な人生を楽しめていないんじゃないの?という問いに対し、少なくとも私は節約生活を楽しいと感じています。

欲しい物、やりたい事を無理に我慢している訳ではなく、自分には不必要だなと思えるものを整理しているだけなので、それほどの負担感はないし、寧ろ少しづつ身軽になっていく事に充実感を覚えています。

本当に節約に苦しんいる訳では無いんです。

この辺りは本当に価値観の違いで、他人から見れば自分に嘘をついている、本当はヤセ我慢をしているに違いないと思われても仕方ないですね。

ヒルクライムレースの話

節約について、以前からヒルクライムレースとの共通点について書いてきました。

普通に自転車を乗っているだけだったら、自分でも坂道は苦痛です。
でも、ヒルクライムレースは、その苦しさが楽しいのです。

練習もキツいし、レース自体も九十九折のコーナーを抜ける度、期待と落胆を繰り返す、本当に肉体的にも精神的にも追い込まれて苦しいものです。

でも頂上にゴールした時の達成感は何物にも替え難い喜びがありますし、練習でも少しづつ自分が成長していく事が楽しくて仕方ありませんでした。

FIREも同じように、傍から見たら辛そうに見えて、実は楽しんでいるという感じではないでしょうか?

あくまでも自分の価値観なので、家族など他の人を巻き込むつもりは毛頭ありませんが。
(オッサンはボッチなので家族はいませんけど(T T))

仕事を辞めなくても出来るんじゃない?

この意見には耳が痛いです。

自分のしたい事って、どうしても仕事を辞める必要があるの?と問われれば、答えは「NO」ですね。仕事を続けながらでも、人生を楽しむ方法なんて幾らでもあるのでしょう。

ただ、仕事を続ける事に耐え難い苦痛を感じていて、仕事を辞めても生活していけるだけの資金があったら? 仕事を続ける意味って何でしょう?

こんな私でも、以前は仕事に対して熱意を持っていました。
でも職場の方針は、私の思いとは逆方向へ進み続けました。

技術者の私には、職場の経営方針を変える立場に立ちたいという出世欲は無縁の物でしたし、変わっていく職場に対して、自分の主張を押し通すほど強者でもありません。
そうして、仕事への情熱が少しづつ摩滅していきました。

人間関係の軋轢

もともと他人とのコミュニケーションが苦手な私でしたが、最近は会話を成立させる事自体も困難になってきています。

医療という人間の生命に関わる仕事では、これは致命的な状況です。
まして、現在の医療は、職場内や職場間のコミュニケーションが必須なチーム医療です。
こんな状況でチームがうまく機能する筈がありません。

私は、人と接する事に恐怖心すら感じるようになり、相手の話を良く理解出来ませんし、自分の意思を上手く伝える事も出来ません。

当然、職場内の人間関係も悪くなっていきます。
そんな状態で職場に居続ける事が辛くて仕方ありません。

FIREする事について、一部の職員からは「仕事を放り出して辞めるなんて無責任だ!」と責められています。ほとんど口も聞いてもらえません(T T)

私自身も仕事を途中で辞めるのは無責任かも?とは思います……ただ、私の精神が限界を迎えて、日に日に心を病んでいるのも事実なんです。
けれど、それを理解して貰うのは無理そうです。

FIRE後のプラン

とあるブログで「FIREとか言ってる人は、その後の人生について明確なビジョンなんて無いんじゃない? ただ仕事から逃げたいだけなんじゃないの? という記事を読みました。
この意見にも耳が痛みます。

確かに私には、FIRE後やってみたい事はありますが、人生設計という意味では白紙の状態に近いですし、仕事から逃げたいと思っているのも事実です。

「仕事から自由になって、その後はどうするの?」
そう聞かれても「今は何も考えていない」という答えしかありません。

本当に場当たり的なプランで、まずは現在の仕事から離れて休息を取り、その後の事はそれから考える。そんな答えしか持っていません。

もしかすると、また何か仕事を始めるかも知れません。
現在の仕事(技術職)は年齢的に難しいかも知れませんので、何か別の仕事を探す事になると思います。
とは言え、そんなに都合よく仕事が見つかるとも思っていませんが……

価値観の相違

私は仕事から逃げ出したいと考えています。
それを無責任・卑怯だと、考える人がいるのも当然だと思います。
逆の立場だったら自分もそう思うと思います。

節約生活なんてして、大切な現在を犠牲にして楽しいの?と聞かれたら…
これについては、私は今の生活レベルについては概ね満足していますし、節約生活自体を楽しんいるとしか答えようがありません。

仕事を辞めなくたって、人生を楽しむ方法なんて幾らでもあるでしょ?と聞かれたら…
確かに、仕事を辞めなければ人生を楽しめないとは私も思っていません。
もともと趣味の少ない私ですし、仕事を続けながらでも楽しむ方法もあるのかも知れません。

FIRE後の人生設計なんてあるの?と聞かれたら…
正直言って、いまは何も考えていないに等しいですね。
とにかく精神的にも肉体的にも休みたいです。職場から提案された一定期間の休みではなく、一度完全に仕事から離れたいと考えています。 

こんな私のFIREを、否定的に思う人がいるのも当然だと思います。
もうこの辺りは本当に価値観の相違としか言えず、理解してもらうのは難しいですね。

弱者のFIRE

FIREを目指している人、FIREを達成した人の著書やブログなどを読んでいると、皆しっかりとした主張と目的意識をも持っているように思います。

FIRE後のプランについても、しっかりとシミュレーションしていますし、FIREを達成したら何をするのかについても、ちゃんと考えている人が多いようです。
皆さん、とても強い方ばかりですね。

私の場合は様々の条件が重なって、たまたまFIREの条件を達成していただけ。
その事が、職場から逃げて自由になりたいという気持ちを後押ししただけ。

明確な将来のビジョンを持った積極的なFIREではなく、いわば「弱者のFIRE]だと考えています。

FIREに否定的な人には理解してもらえないだろうし、必死にFIREに向けて努力している人からも「そんなのFIREじゃない!」と言われるかも知れません。
でも、これが私にとってのFIREなんです。

子供の頃から50年以上も積み上げた貯蓄を、
職場から逃げ出す事に使いたい。
我ながら何とも情けない話だとは思います。

自分的にはこれが人生の再スタートだと思っています。

まずは休息をとって、それから改めて残りの人生に向けて動きたい。
私にとってFIREは、その為の手段なんです。

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